星の銀貨


作文

03.5話 カンジーの魔法!のウワサ


(この話は03話「運命の天使様は超ハンサム!」にて、
 夕日の中でポーチが聖ハットトリックから
 シャーマンカーンに頭を切り替えたエンディングから
 ちょっとだけ後のシーンを書きました。)

夕暮れの草原の中、キャンプを張るタケルたち。

キャンプの中ではしゃもじが土鍋のごはんをかき混ぜ、
おたまはひとりでに鍋の味噌汁を混ぜている。
ジューッ、と音を立てるフライパンの上では
ぽんぽん、と勝手に卵が割れてゆく。

しゃもじにもおたまにも卵にも、誰も一切触れてはいない。

「おおおー、すげぇー」
おどろきながら、その様子を見ているタケル。

その隣では物干し竿に洋服が次々と吊るされてゆき、
パチンパチン、と洗濯バサミがそれをとめてゆく。
その下のタライの中では、やはり勝手に衣類が洗濯されている。

服にもタライにも洗濯バサミにも、やはり誰も触れてはいない。

「へぇー、カンジーの魔法って家事全般だったのね」
洗濯機と化したタライを覗きながら、感心してポーチが言う。

「水とか、材料がなければ何もできないんですけどね」
そういいながらカンジーは、人差し指を空にかざす。
指から放たれたやわらかい光は土鍋のまわりを包みこむ。
炊き上がったごばんが、空中で次々におにぎりとなってゆく。

「いやいや、その歳でここまでやるとはなかなかのもんじゃて」
うれしそうにほほえむのは、
ポシェットに憑依したヘッド・スーパーゼウス。

「それに対して……」
ちら、と横目になったゼウスは
「お前らの魔法はちっとも役にたたんのう」
いやらしい目つきでタケルとポーチをからかう。

ピクン!と怒り顔になるポーチ。
(タケルは気にしていないのか、他を向いてよだれをたらしている。)
「あんたが言うな、あんたが!」
ゼウスのヒゲの両端をつまみ、
むにぃぃぃっと力いっぱい引っ張ってゆく。

「ぎゃあああ!痛い、いたい!!」
痛がるゼウス。顔がびよ〜んと伸びている。
「ちょっと、ポーチさん!」
おどろいたカンジーはあわててポーチをたしなめる。

いつもの面々、いつもの展開。
いつのまにやら見慣れた情景。

そうこうしているうちに、日も沈んでしまって……

作成日:Christian Era 2005 27th March

タケルやポーチは勉強をサボっていたから
鼻やタライの魔法しか使えないんだよねー。
      ↓
それなら学校ーの秀才であるカンジーちゃんが
魔法を使えないなんて、あってはならないよねー。
      ↓
それとも魔法ってあれか?
料理みたいに授業ではちゃんと習わないものなのか?
      ↓
あっ、料理といえば27話に出てきたおにぎりは
どっから出てきてんだろー?
      ↓
ていうかあいつら普段食事とか洗濯とかどうしてんだ!?

という思考のプロセスの結果、この話を思い付きました。

当初には予定にないお話でしたが、思い付くとガシガシいけるものですね(笑)
資料集め(どの話の間にもっていくかを決めるためのビデオ鑑賞)
も含めて、一時間半ほどでかけてしまいました。

今書いている話もこれだけサクサクすすんでくれればなぁー。
先月の11日から書き始めているのにも拘らず、
一向に筆がすすんでくれません。どないしよう。

どうでもいいのですが、
洗濯バサミをどう描写いたらよいだろうかと
「洗濯バサミ 小説」で検索したら、
おそろしいほどに官能小説の山があらわれました。
どないせぇっちゅうねん。牧波さんひっくり返っちゃうよ。

あ、それとお味噌汁は煮込んじゃだめですよ。

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